機能性ディスペプシア(FD)って何?原因や治療法を徹底解説!

投稿日:2020年5月29日|カテゴリ:お知らせ

なんとなく食欲が湧かなかったり、二日酔いや油っこい食べ物を摂取したわけでもないのに胃がもたれた経験はありませんか?気になって、医師へ受診しても胃潰瘍や胃がんなどの病気ではなく原因が不明な場合があります。

 

今回は、胃の不調がもたらす原因の特定が難しい機能性ディスペシア(FD)について詳しく説明するので、心当たりがある人は参考にしてみてください。

機能性ディスペシア(FD)って何だろう?

機能性ディスペシア(FD)とは、Functional Dyspepsiaの略で直訳は機能性の消化不良を意味し、日常生活を行っている中で誰しもかかってしまう可能性がある病気です。具体的な症状や原因について紹介するので、まずはどういった病気なのか確認してみましょう。

 

発生率

まず、機能性ディスペシア(FD)にかかっている人の割合について説明します。

・健康診断受診者の約1割

・病院受診者の約4~5割

 

機能性ディスペシア(FD)は、会社などで毎年行われる健康診断で約2割、病気などで病院を受診した人の約4~5割の人がかかる病気です。機能性ディスペシア(FD)は、癌などに比べても発生率が多く誰でも病気になるリスクがあるので、症状や原因などを事前に知っておき早期治療をできるように心がけましょう。

 

症状

次に、機能性ディスペシア(FD)の症状について紹介します。

・胃のもたれ

・胃の痛み

・早期の満腹感

・みぞおちが焼けるような感じ

 

機能性ディスペシア(FD)の症状としては、胃のもたれや胃の痛みが継続することや、食事を摂ってもすぐに満腹になる、みぞおちが焼けるような感じがするなどの特徴があります。

 

また、機能性ディスペシア(FD)は6ヵ月以上前から3ヵ月間継続してこれらのいずれかの症状が継続した場合に疑われ、内視鏡などで胃の内部を目視しても病気の原因が特定できないことが特徴的です。

 

原因

最後に、機能性ディスペシア(FD)とは内視鏡などでも異常が確認できないにもかかわらず胃の痛みなどが症状として特徴的ですが、どういった理由が原因なのでしょうか?機能性ディスペシア(FD)の原因について詳しく説明します。

・胃・十二指腸運動の問題

・精神的なもの

・ピロリ菌など

・遺伝的

・生活習慣の乱れ

 

機能性ディスペシア(FD)になる原因は複雑で、1つの原因で引き起こされる場合だけでなく、複数の要因が重なった場合に症状が現れるケースがあります。まず、胃・十二指腸運動の問題とは、食べた物が胃から十二指腸へ行く際に胃の機能に異常が見られる場合や通常よりも知覚過敏となり低刺激でも症状が現れることをいいます。

 

次に、精神的なものとは気持ちが沈み鬱状態などになることをいいます。また、ピロリ菌などの菌に感染している場合やサルモネラ菌などの感染した経験がある場合も原因の1つになります。最後に、生まれ持った遺伝的な要素やアルコールやタバコの摂取、ストレス、不眠などの生活習慣の乱れも機能性ディスペシア(FD)になる原因となります。

 

機能性ディスペシア(FD)はどうすれば治る?

機能性ディスペシア(FD)は、内視鏡などでは病気の症状が特定できず胃・十二指腸の運動機能の問題やピロリ菌などの菌の感染、生まれ持った性質や日頃の生活習慣の乱れが原因といわれていますが、診断方法とあわせてどのように治療すればいいかを解説します。



診断方法

機能性ディスペシア(FD)は、胃がんや胃潰瘍などの内視鏡で目視することができず、胃の痛みなどが継続している場合に該当する病気だと判断されます。

・医師による問診

・複数の検査

 

機能性ディスペシア(FD)を診断するポイントは、医師による問診と複数の検査による判断です。医師による問診とは、腹部の痛みの発生時期と継続日数、食事との関係性、体重の増減などの確認によって判断します。

 

また、複数の検査とは胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍など内視鏡によって確認したり、ピロリ菌や血液検査、超音波検査などを行うことです。複数の検査をすることによって、異常が認められないにも関わらず胃の痛みなどが継続している場合は、機能性ディスペシア(FD)だと判断することができます。



治療

機能性ディスペシア(FD)は、内視鏡などの複数の検査を行い、胃がんなどの病気を除外することや医師との問診によって判断することができますが、どのように治療すればいいのでしょうか?
機能性ディスペシア(FD)の気になる治療方法については、以下のポイントがあります。

消化機能改善薬

酸分泌抑制薬

抗うつ薬、抗不安薬

機能性ディスペシア治療薬

⑤漢方薬

 

機能性ディスペシア(FD)になる原因には、複数の原因があるため原因を特定した治療を行うことが重要になります。医師の診断により機能性ディスペシア(FD)だと判断された場合は、胃や十二指腸の運動機能の改善や胃酸の分泌を抑える薬が処方されます。

 

また、精神的な理由により機能性ディスペシア(FD)の疑いがある場合には、抗うつ薬や気持ちを安定される抗不安薬などが処方されます。その他、機能性ディスペシア(FD)の治療薬としては、胃の運動の低下や食物排出遅延を改善する働きのある神経伝達物質にアクセスする効果のある機能性ディスペシア治療薬を使用する場合もあります。

 

機能性ディスペシア(FD)は原因を特定したうえで治療を行うため、生活習慣による乱れが原因の場合は、薬による治療だけではなく規則正しい生活や生活習慣の改善を意識して日頃から行うようにしましょう。

 

機能性ディスペシア(FD)の治療での注意点

機能性ディスペシア(FD)は、消化機能の改善や抗うつ剤、治療薬、生活習慣の改善など原因を特定した治療法が不可欠となりますが、治療する際にどのような点に気をつければいいのでしょうか?

 

・再発は5人に1人

 

機能性ディスペシア(FD)は、5人に1人が再発する病気だといわれており、はっきりとした原因については不明な点が多い病気です。日常生活を営む中で環境の変化やちょっとしたストレスの蓄積によって引き起こされる場合があります。

 

機能性ディスペシア(FD)の症状の発生は、心理的な要因が関与しているといわれ、不安やうつなどが多く伴なわれるともいわれています。また、機能性ディスペシア(FD)になった人の25%から50%は下痢、胃食道逆流症、慢性便秘などが合併するといわれています。

完治するには薬の処方だけに頼らずに、日常生活にメリハリをつけてリラックスした生活を行うこともポイントとなりますので、運動や趣味などを見つけて気分転換をしながらストレスフリーな生活を行うようにしましょう。

 

まとめ

機能性ディスペシア(FD)は、健康診断で約1割、気になって病院で受診した人の約4~5割という、誰にでもかかる可能性のある病気です。

 

機能性ディスペシア(FD)の原因は遺伝的な要素が関係する場合もありますが、生活習慣の乱れや日常的なストレスが原因の場合もあるため、日頃から規則正しい生活を心がけ、趣味などでストレスを発散することにより、予防に努めてみてはいかがでしょうか?少しでも症状に当てはまる部分があれば、すぐにご相談ください。